石川県作業療法士会について

会長挨拶

石川県作業療法士会は1983年(昭和58年)に会員25名で発足しました。発足時は任意団体でしたが現在は公益社団法人となり、会員数も800名を超えております。

当初は学術団体としてスタートしました。会員相互の技術・技能の研鑽、研究活動や主目的でしたが、現在はそれらに加え、石川県民の保健・医療を幅広く支援する職能団体として日々活動しております。

さて、国家資格である「作業療法士」ではありますが、ここでいう「作業」という言葉の意味が分かりにくいという声を耳にする事があります。

人は生活する中で、事故や病気などの予期せぬ出来事に直面すると、これまでと同じ生活を続ける事が困難となります。作業療法の「作業」とは人が生活する中で行う全ての行為を指します。

例えば、朝起きて、トイレに行き用を足して、顔を洗って着替え、朝食を食べて仕事や学校に行きます。行った先で社会的な活動や学習を行います。帰宅するとお風呂に入り、好きな音楽を聴いたり、家族と団らんして過ごします。休日はショッピングに出かけたり、好きなスポーツをしたり、友人と語り合うこともあるでしょう。沢山の生活での行為を例として挙げましたが、これらすべてが「作業」になります。

日本作業療法士協会は作業療法の定義の中で「人は作業することで元気になる」としています。私たちは病気や怪我、その他様々な事情で大好きな「作業」が出来なくなっている方の作業について考え、支援させて頂きます。ある方は、病気や怪我が治る事で作業が再開できるかもしれません。ある方は、少しやり方や環境を変えることで再び作業ができるようになるかもしれません。ある方は「作業」への接し方を変える事が必要になるかもしれません。私たち作業療法士は、対象者の方が好きな「作業」に関わることを、お手伝いさせていただきます。

近年は、認知症やフレイル(生活不活発)などが課題として挙げられることも多くなってきております。私たちは地域で開催されます事業にも積極的に参画し、その予防にも力を注いでいます。

日々、お子様から、お年寄りまであらゆる年代の皆様の「作業」が充実する様,会員一同、取り組んでまいります。

令和7年4月
公益社団法人 石川県作業療法士会
会長 東川 哲朗